脂漏性皮膚炎のスキンケアは、皮脂のコントロールと炎症を抑えることが重要です。以下のポイントを意識するとよいでしょう。
基本のスキンケア
1. 洗顔・クレンジング
低刺激の洗顔料を使用(石鹸ベースやアミノ酸系が◎)
1日1〜2回、ぬるま湯で洗顔(洗いすぎると皮脂が増える)
強くこすらず、泡で優しく洗う
2. 保湿
油分が少なく、保湿力のある化粧水や乳液を使う(セラミド・ヒアルロン酸配合が◎)
ワセリンなどの油分の多い保湿剤は避ける(毛穴詰まりの原因になる)
3. 炎症を抑えるアイテムを活用
抗炎症成分(グリチルリチン酸・ナイアシンアミド)配合の化粧品が◎
ビタミンC誘導体入りの化粧水や美容液が皮脂抑制に有効
おすすめの成分・アイテム
✅ 有効成分
グリチルリチン酸(抗炎症作用)
ナイアシンアミド(皮脂抑制+炎症抑制)
ビタミンC誘導体(皮脂抑制+抗酸化)
セラミド(バリア機能をサポート)
イオウ(硫黄)成分(皮脂を抑える、殺菌作用あり)
✅ おすすめのスキンケア製品
洗顔:「カウブランド 無添加泡の洗顔料」「NOV(ノブ) II 洗顔料」
化粧水:「キュレル 皮脂トラブルケア 化粧水」「ナチュリエ ハトムギ化粧水(さっぱりタイプ)」
美容液:「オバジC10セラム」「メラノCC 美容液」
クリーム:「キュレル 皮脂トラブルケア 保湿ジェル」「NOV ACアクティブ モイスチュアジェル」
生活習慣のポイント
糖質や脂質の多い食事を控える(特にジャンクフード・揚げ物・スナック類)
ストレスを溜めない(ストレスで皮脂分泌が増える)
十分な睡眠をとる(肌のターンオーバーを整える)
シャンプーも低刺激のものを使用(脂漏性皮膚炎は頭皮にも出やすい)
NG行動
🚫 ゴシゴシ洗顔・過度なクレンジング → 肌のバリア機能が低下
🚫 アルコール・メントールが強い化粧品 → 皮膚刺激になる
🚫 油分の多い保湿剤やオイル → 皮脂分泌を促す
脂漏性皮膚炎は、スキンケアだけでなく食生活や生活習慣も影響するので、総合的にケアすることが大切です。症状がひどい場合は、皮膚科で抗真菌剤(ニゾラールクリームなど)やステロイドを処方してもらうのもおすすめです!
脂漏性皮膚炎の原因
脂漏性皮膚炎の主な原因は 皮脂の過剰分泌 と マラセチア菌(真菌)の増殖 です。さらに、生活習慣や体質も影響します。
主な原因
① 皮脂の過剰分泌
皮脂が多く分泌されると、肌のバリア機能が乱れ、炎症が起こりやすくなります。
皮脂分泌が増える要因
ホルモンバランスの乱れ(男性ホルモンが多いと皮脂が増えやすい)
脂っこい食事や糖質の多い食事(ジャンクフード・スイーツなど)
ストレスや睡眠不足(自律神経が乱れ、皮脂が増加)
気温や湿度(暑い時期や乾燥した環境で皮脂分泌が増える)
② マラセチア菌(真菌)の増殖
マラセチア菌は、皮膚の常在菌ですが、皮脂をエサに増殖しすぎると炎症を引き起こします。
特に頭皮・顔・胸など皮脂の多い部分に発生しやすい。
③ 免疫の異常反応・バリア機能の低下
肌のバリア機能が弱い人は、マラセチア菌の影響を受けやすい。
アトピー性皮膚炎や敏感肌の人は脂漏性皮膚炎になりやすい傾向がある。
④ 生活習慣の乱れ
ストレス(自律神経が乱れ、皮脂分泌が増える)
栄養バランスの悪い食事(ビタミンB群不足が特に影響)
アルコール・カフェインの摂取(皮脂分泌を増やす)
運動不足(血流が悪くなり、肌のターンオーバーが乱れる)
⑤ シャンプー・スキンケアの影響
洗いすぎ(ゴシゴシ洗顔) → 皮脂を取りすぎると逆に分泌が増える
刺激の強いスキンケア(アルコール・メントール・オイル成分が多いもの)
シャンプーの洗い残し(マラセチア菌の増殖を助ける)
脂漏性皮膚炎の起こりやすい部位
✅ 顔(Tゾーン・眉毛・小鼻・頬)
✅ 頭皮(フケ・かゆみ・赤み)
✅ 耳の周り(耳の中や耳の後ろも注意)
✅ 胸・背中(皮脂の多い部分)
予防と対策
✅ 皮脂のコントロール(ビタミンB群を意識した食事)
✅ 低刺激のスキンケア&シャンプーを使う
✅ 睡眠・ストレス管理を意識する
✅ 炎症がひどいときは皮膚科で抗真菌薬(ニゾラールなど)を処方してもらう
脂漏性皮膚炎は慢性的になりやすいですが、スキンケアと生活習慣を見直せば改善しやすいので、無理せずケアしていきましょう!
脂漏性皮膚炎にはロゼックスゲルは効くか?
ロゼックスゲル(メトロニダゾール配合)が脂漏性皮膚炎に効果があるのは、以下の理由が考えられます。
1. 抗炎症作用
ロゼックスゲルの有効成分 メトロニダゾール には 抗炎症作用 があります。脂漏性皮膚炎は皮脂の過剰分泌とマラセチア菌の増殖によって炎症が引き起こされるため、炎症を抑えることで症状が改善しやすくなります。
2. 抗菌・抗酸化作用
メトロニダゾールは嫌気性菌に対する抗菌作用を持ちますが、脂漏性皮膚炎の原因であるマラセチア菌には直接的な抗真菌作用はありません。
しかし、活性酸素(ROS)を抑える抗酸化作用があり、炎症を悪化させる酸化ストレスを軽減することで症状を改善すると考えられています。
3. 皮脂の調整
メトロニダゾールは皮脂分泌を抑える作用があるともいわれています。皮脂の過剰分泌は脂漏性皮膚炎の原因の一つなので、皮脂をコントロールすることで炎症を起こしにくくする効果が期待できます。
4. バリア機能のサポート
脂漏性皮膚炎の肌はバリア機能が低下しており、炎症が起こりやすい状態です。ロゼックスゲルは皮膚の炎症を抑えることでバリア機能の回復を助ける役割も果たします。
実際の使用例
ロゼックスゲルは酒さ(赤ら顔)やニキビ治療としてよく使われますが、脂漏性皮膚炎にも有効とする報告があります。特に、炎症が強いタイプの脂漏性皮膚炎には有効とされ、皮膚科で処方されることがあります。
注意点
マラセチア菌(真菌)自体を殺菌する作用はないため、脂漏性皮膚炎の根本治療には抗真菌薬(ニゾラールクリームなど)との併用が推奨されることが多い。
副作用が少ないが、まれに乾燥やかゆみを感じることがある。
まとめ
ロゼックスゲルは 抗炎症作用・抗酸化作用・皮脂コントロール によって、脂漏性皮膚炎の症状を改善すると考えられます。ただし、マラセチア菌自体を殺すわけではないため、抗真菌薬と併用するとより効果的です。
脂漏性皮膚炎に効く薬
脂漏性皮膚炎に効く薬には、抗真菌薬・抗炎症薬・皮脂コントロール薬などがあります。症状の程度によって使い分けるのがポイントです。
1. 抗真菌薬(マラセチア菌を抑える)
脂漏性皮膚炎の主な原因である マラセチア菌(真菌) を抑えるための薬です。
🟢 外用薬(塗り薬)
ニゾラールクリーム(ケトコナゾール)
→ 皮膚科で処方される代表的な抗真菌薬。マラセチア菌を殺菌する。
ペキロンローション(硝酸ミコナゾール)
→ 頭皮や顔にも使える。ローションタイプでべたつきにくい。
ラミシール(テルビナフィン)
→ 水虫薬として有名だが、脂漏性皮膚炎にも使われることがある。
🟢 内服薬(飲み薬)
イトリゾール(イトラコナゾール)
→ 抗真菌作用が強いが、重度の脂漏性皮膚炎で使われることが多い。
フルコナゾール(ジフルカン)
→ カンジダ症などにも使われる抗真菌薬。皮膚科で処方されることがある。
2. 抗炎症薬(赤み・かゆみを抑える)
脂漏性皮膚炎の炎症を抑えるために使用。
🟠 ステロイド(短期間の使用が基本)
ロコイド(ヒドロコルチゾン) → 弱めのステロイド。顔にも使える。
リンデロンV(ベタメタゾン) → 中等度のステロイド。短期間の使用が推奨。
デルモベート(クロベタゾール) → 強力なステロイド。通常は脂漏性皮膚炎には使わないが、炎症がひどい場合に短期間使用されることがある。
🟠 非ステロイドの抗炎症薬
プロトピック軟膏(タクロリムス)
→ ステロイドの代わりに使える免疫抑制剤。副作用が少なく、顔にも使用可能。
コレクチム軟膏(デルゴシチニブ)
→ 2020年に登場した新しい抗炎症薬。アトピー性皮膚炎に使われるが、脂漏性皮膚炎にも有効な場合がある。
3. 皮脂コントロール・その他の薬
脂漏性皮膚炎は 皮脂の過剰分泌 も原因なので、皮脂をコントロールする薬が有効な場合もある。
🔵 皮脂を抑える薬
ロゼックスゲル(メトロニダゾール)
→ 抗炎症作用+皮脂分泌を抑える作用があり、脂漏性皮膚炎にも効果がある。
イオウカンフルローション
→ 皮脂を抑える+殺菌作用があり、脂漏性皮膚炎に有効。
🔵 ビタミン剤(皮脂をコントロール)
ビタミンB2(リボフラビン)・B6(ピリドキシン)
→ 皮脂の分泌を抑える。食事やサプリで補うのもおすすめ。
ビタミンD(カルシトリオール軟膏)
→ 皮膚のターンオーバーを正常化し、脂漏性皮膚炎の改善を助ける。
4. 頭皮の脂漏性皮膚炎向けの薬用シャンプー
頭皮の脂漏性皮膚炎には 抗真菌成分入りのシャンプー が有効。
コラージュフルフルネクスト(ミコナゾール配合)
→ 日本で市販されている薬用シャンプー。
ニゾラールシャンプー(ケトコナゾール配合)
→ 海外ではよく使われる抗真菌シャンプー。
スカルプD メディカルシャンプー(ピロクトンオラミン配合)
→ 皮脂を抑えつつ抗菌作用がある。
まとめ
✅ 抗真菌薬(ニゾラールなど) → マラセチア菌を抑える
✅ 抗炎症薬(ロコイド、プロトピックなど) → 赤みやかゆみを抑える
✅ 皮脂コントロール薬(ロゼックスゲル、ビタミンB群) → 皮脂分泌を整える
✅ 頭皮用の薬用シャンプー(コラージュフルフルなど) → 頭皮の脂漏性皮膚炎に有効
脂漏性皮膚炎は慢性的になりやすいので、薬をうまく使いつつ、スキンケアや生活習慣の見直しも大切です。症状がひどい場合は皮膚科で相談するのがおすすめです!
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